コラム

AIやDXを中心に、未来の臨床試験など業界に関連する様々なトピックを取り上げていきます。

未来の臨床試験

以前在籍していたCROでは、各部門長が毎週交代で全従業員に向けてメッセージを送る活動が行われていました。多くの部門長が業務に関連する真面目な内容を記載し、従業員を鼓舞したりモチベーションを高めるようなメッセージを送る中、私は唯一の例外で、「未来の臨床試験」をテーマにした短編SF小説を連載していました。この小説は5年近く前のものであり、一部はすでに実現されたものや実現間近なものも含まれています。しかしながら、今後弊社もこういった世界の実現を目指して行けると面白いと考えているので、定期的にアップロードして行きたいと考えています。

臨床開発でもAIによる破壊的イノベーションは起こる?

AIを医薬品開発に活用して効果を上げようという試みは他の産業同様活発に行われており、もともとコンピューター化が進んでいた創薬や画像診断等の分野では具体的な実績も挙がっている状況かと思います。また、最近では臨床試験の施設選定にAIを用いて患者さんをより迅速にリクルーティングする試みや、希少疾患やがんの臨床試験において、従来プラセボを使用していた、あるいは様々な理由によりプラセボが使用できなかった試験に対して、AIによって対照群を合成して投与(治療)群と比較するといった試みも行われるようになってきています。 一方で、臨床試験の実施、特に症例のモニタリング業務やクリニカルデータマネジメント業務においては、一部の事例を除いてAIの活用はまだこれからといった状況だと考えられます。弊社では臨床開発、特に臨床試験の業務効率の改善やスピードアップを図るようなソリューションにフォーカスを当てており、海外の優れた製品を日本に紹介するといった事業を行っています。そのため、こちらのコーナーでは弊社が取り扱っているソリューションが適切な場面でどれほど効果を発揮するかについて解説してみたいと思います。